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Dreamcast Magazine ( リダイレクト:ゲーマガ ) : ウィキペディア日本語版
ゲーマガ
ゲーマガは、かつてソフトバンククリエイティブが刊行していた月刊の総合ゲーム雑誌1984年創刊。2012年5月号にて休刊。通巻498号。毎月30日頃(2月は28日)発売。
== 歴史 ==

=== Beep ===
ルーツは日本ソフトバンクが1984年12月に創刊した〔ただし同年7月の創刊準備号をもって創刊とする説もある。〕月刊のゲーム総合情報誌『Beep』まで遡る。ゲーム雑誌では初めてソノシートを付録にした。
ゲーム雑誌のはしりと呼び得る存在としては、『Beep』創刊以前にも『ログイン』(アスキー)や『コンプティーク』(旧:角川書店、現:KADOKAWA)が存在していた。しかし当時は、パソコン用のゲームの話題が中心となっており、それらの雑誌におけるファミリーコンピュータに代表される家庭用ゲーム機の話題は付随的なものに過ぎなかった。そこで『Beep』は、創刊当初から家庭用ゲーム機の話題を大きく取り扱うことで他誌との差別化を図った。
1985年徳間書店が『ファミリーコンピュータMagazine』を創刊したのを皮切りに各社が相次いでファミリーコンピュータ専門誌を創刊する。この当時は、『Beep』でも多数あるゲーム機の一つとしてファミコンを扱っていた。
後に、ファミコンの市場では『ドラゴンクエスト』の大ヒットとその際の攻略情報の記事の氾濫をきっかけに、続編の『ドラゴンクエストII』および『ドラゴンクエストIII』で発売前情報や攻略情報への規制(ハイスコア訴訟等がある)が敷かれ、これ以降、メーカーによる出版社・マスコミに対する情報管理が行われるようになった。当時の日本ソフトバンクはパソコンソフト卸が実質的な本業で、出版社としては独立系の弱小出版社にすぎず、部数の悪い雑誌は3か月以内に成績を改善しないと問答無用で休刊を言い渡されるなど、出版部門は非常に厳しい経営体制だった。そのなかで『Beep』は事業部内でも実売でも、常に休刊の候補に上がるような綱渡りの運営だった。
当時の編集長は「規模の小さいBeepでは、発行部数の多い大手の雑誌の情報力には対抗できない」と判断し、敢えて他誌が付随的にしか扱わないセガ・マークIIIの紹介に比重を置くことを決断する。この路線転換が奏功し、ようやく一定の発行部数を維持できるようになる。
このような経緯から「Beepはセガからの情報提供や取材を優遇されていた」と誤解されることが多い。しかし、当時のセガは業務用の機器販売と施設運営がメインで、家庭用はあくまで「余技」という経営状態だった。また、社内的にも家庭用ソフトの開発部は業務用の開発部署より格下と見られ、元々メディアへの露出が少なかったこともあって、一つの雑誌が自社の家庭用ゲームをプッシュすることなど重要視していなかった。当時『Beep』とセガの間で情報提供や情報規制の駆け引きがあったことを、当時の編集長が後年になって語っている。ちなみに、セガハードに比重を置くようになる以前の『Beep』は「カプコン贔屓」と目されており、実際に当時のライター陣の一部はカプコンに入社している(後に「ストリートファイターII」の企画を担当するCPM闘幻狂 NIN、「ロックマン」「ブレスオブファイア」シリーズ等のプロデュースを担当するCPM闘幻狂 BAMBOOなど)。
ゲーム業界の企業訪問や開発者インタビューは、他誌に比べ精力的であった。もっとも、当時は他社からのヘッドハンティング防止の意味もあり、開発者の実名を出さないことが普通だったので、取材対象者はイニシャルやペンネームで紹介される場合が殆どだった。また、コンピューターゲームソフトとは直接関係がない単発企画も多かった。
取り扱う記事のジャンルが幅広かったため、浅く広くカバーする誌面構成を特徴とした。そのためライターのセンス・個性・主張が誌面に出やすく、全般に軽めの評論やエッセイ的にまとめられた記事が多く設けられていた。攻略記事についても、ライター個人のプレイをそのまま記事として起こした体裁が多く、純粋にクリアー方法やハイスコアを獲得するための攻略法を主体に掲載していた他誌とは一線を画している。また、ゲーム性の欠陥(面白さ、操作性、重大なバグ等)に対して、スポンサー企業であるかどうかにかかわらず、変名やライターの座談など何らかの体裁で批判を載せる硬派な一面もあり、これは後継誌にも踏襲されている。
ゲーム雑誌業界も企業としての日本ソフトバンクもまだ黎明期の頃の雑誌であり、ライター陣の主力は首都圏在住の学生でその中には高校生中学生も含まれていた。このため、良く言えば若者たちの若さ溢れる誌面と言えるが、ライターの質的には玉石混交の状態であり、誌面制作においてもライターの個人的な筆力やゲームプレイの技量に頼る面が大きく、全般的な記事構成力や文章力の水準向上は課題として終始付いて回った。同一ライターのペンネームの変更(たけおん→TAKE ON!等)が多かったことも特徴である。当時の競合他誌と同様にこの雑誌のライターとしてゲーム業界に最初の接点を持ち、後に供給側へと進んだ者も多い。一方では、1987年春に前半期の主力ライターの1人で『大戦略』シリーズ・『三國志』シリーズなどのシミュレーションゲーム攻略記事の大半を担当していた地縁土がバイク事故で急死してしまう事態が起き、このことはその後の誌面作りにおいて少なからぬ痛手となった。
その他、1985年8月号から1986年7月号まで、漫画家御厨さと美と御厨率いるMIC MACプロダクションによる読者投稿企画『ヤタタウォーズ』が連載されたことでも知られる。これは御厨が得意とするSF調の世界観をモチーフとした企画で、静岡県岐阜県石川県以東の東日本エンタープライズ三重県滋賀県福井県以西の西日本ソラリスの二大勢力に分割し、その間に位置する愛知県は孤立し両陣営から忌み嫌われる謎の第三勢力アイチ圏として、読者をそれぞれの住む地域の義勇兵と位置づけて、その葉書投稿を元に、プレイ・バイ・メール的な艦隊戦による勢力争いと投稿小ネタ合戦で各勢力が覇権を目指し争うという内容であった。テレビゲームとはほとんど無縁の異色の企画で、インターネットやMMORPGが普及した現代から見れば随分と牧歌的なものであったが、これは後に日本における読者参加型ゲームのルーツの1つとされている。
また、本誌独自の用語・単語が多く用いられた。以下は主なもの。
; テレホビー
: 家庭用ゲーム機のこと。当時はコンシューマなどの言葉がまだ一般化しておらず、単に家庭用と呼ばれていた。対してアーケードゲームのことは「ビデオゲーム」と呼んでいた。
; シューティン(ゲーム)
: シューティングゲームのこと。ライターのTAKE ON!(たけおん)により提唱。他の単語でも「ロールプレインゲーム」のように、語末の「グ」="g"を発音しない(表記しない)表現が誌面で流行した。
: 理由として、当時のアメリカ英語では、"〜ing"を"〜イング"と発音するのは女性言葉だから、と説明されていた。当時のアメリカ英語がそのような風潮だったかどうかは不明。
; アルティマ
: ウルティマのこと。海外発のゲームを担当していたライター桃園隆夫(後に「ウゴウゴルーガ」等のCGを担当する)が提唱した読み方。厳密には本誌独自ではなく、他誌でも「この表記の方が英語の発音には近い」という主張はあった。しかし、作者のリチャード・ギャリオットが「英語読みではなくラテン語読みなので、日本語で書くと『ウルティマ』が正しい」としたため、広まることはなかった。ログイン (雑誌)#ウルティマ・アルティマ論争を参照。
; ヴェルドナ
: ウィザードリィのワードナのこと。経緯は同上。
; アウアーアーアー
: セガマークIII版アフターバーナーのこと。出来があまり良くなかったが、セガとの取材協定の都合上、直截的な批判表現が使えなかったための苦肉の表現。他の家庭用機に移植された同ゲームとの比較などに使われた。
; セガ人(セガ・びと)
: セガファンのこと。初出は1986年11月号の巻頭特集「爆発!セガパワー」内で、「セガに生き、セガに身も心も捧げている人」と定義されていた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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